【初心者向け】万年筆の洗浄方法をやさしく解説|必要な道具と頻度も紹介

【初心者向け】万年筆の洗浄方法をやさしく解説|必要な道具と頻度も紹介

万年筆を使い続けると、ペン先や内部にインクが残って書き味が悪くなってしまいます。

そんなときに大切なのが「洗浄(クリーニング)」です。とはいえ、「どこまで分解していいの?」「水で洗うだけで大丈夫?」と不安に感じる初心者も多いでしょう。

この記事では、初めての方でも失敗せずにできる万年筆の洗浄方法を、写真付きでやさしく解説します。必要な道具や頻度の目安、やってはいけない注意点まで、これ一つでまるわかりです。

なぜ万年筆の洗浄が必要なのか

万年筆は、インクを毛細管現象(※細いすき間を通って液体が流れる仕組み)でペン先に送る繊細な筆記具です。

このため、インクの乾燥やホコリの混入で詰まりやすいという特徴があります。

とくに以下のような症状が出たら、洗浄のサインです。

  • 書き出しでかすれる
  • インクの出が不安定
  • ペン先にインクの固まり(インクだまり)が見える

放置すると、ペン芯(インク通路)が目詰まりし、インクが出なくなることも。

定期的に水洗いすることで、スムーズな書き味と発色を保ち、長く愛用できます。

初心者が用意しておきたい洗浄道具

まずは、家にあるもので十分対応できます。以下のアイテムをそろえておくと安心です。

必要な道具使い方・ポイント
コップ(透明)ペン先を浸して洗う。汚れの落ち具合が見える
ティッシュ or 柔らかい布水分をふき取る
精製水(または水道水)水道水でもOKだが、カルキが気になる場合は精製水を使用
吸引器具(コンバーター)ペン内部に水を吸って押し出すと効果的
補足

ペン先やペン芯は無理に分解しないこと。壊れやすく、メーカー保証対象外になる場合があります。

基本の万年筆洗浄方法【初心者向けステップ】

① インクを抜く

まずは、ペンに残ったインクを抜きましょう。

カートリッジ式ならカートリッジを外し、コンバーター式なら中のインクを出し切ります。

ティッシュでペン先を軽く押さえると、余分なインクが吸い取れます。

② 水洗いする

透明なコップにぬるま湯(常温〜30℃)を用意し、ペン先を5〜10分ほど浸します。

水が濁ってきたら交換し、透明になるまで2〜3回繰り返すのが目安です。

コンバーターがある場合は、水を吸い込んで押し出す動作を何度か繰り返すと内部まできれいになります。

コツ

インクの色替え時は特に念入りに。前の色が混ざると発色が濁ることがあります。

③ 乾燥させる

洗浄後は、ティッシュや柔らかい布で水分を軽く拭き取りましょう。

その後、ペン先を下にして立てた状態で半日〜1日自然乾燥させます。

ドライヤーなどの熱風は避け、自然乾燥が基本です。

注意したい洗浄のNG行為

初心者がやりがちな失敗もチェックしておきましょう。

  • 熱湯で洗う → ペン内部の樹脂が変形するおそれ
  • アルコール・洗剤を使う → 金属パーツが腐食・変色の原因に
  • 無理な分解 → ペン芯が破損して修理不能に

「よく落ちる」と思ってアルコールを使うのは危険です。洗浄はあくまで「水でやさしく」が基本です。

洗浄の頻度とおすすめタイミング

洗浄は、1カ月に1回程度を目安に行いましょう。

また、次のようなタイミングでも洗浄をおすすめします。

  • インクの色を変えるとき
  • 長期間使わないとき(保管前)
  • 書き味が重くなったとき

特に、夏場(乾燥しやすい季節)はインク詰まりが起こりやすいので注意が必要です。

便利アイテムでさらに快適!おすすめ洗浄グッズ

手動での洗浄に慣れてきたら、専用の洗浄ツールを使うとより簡単になります。

  • スポイト付き洗浄ボトル
  • 万年筆専用洗浄キット
  • 精製水+専用クリーナー液

これらを使えば、インク通路の細部までスムーズに洗浄可能です。

まとめ|万年筆の洗浄習慣を

万年筆の洗浄は、慣れれば5〜10分でできる簡単なメンテナンスです。

正しい手順を守れば、ペン先を傷めることなく、美しい書き味がよみがえります。

お気に入りの1本を長く愛用するために、「洗浄習慣」を取り入れてみましょう。