万年筆に憧れはあるけれど、「難しそう」「インクが面倒そう」「高いのを買って失敗したくない」——
この記事では、万年筆デビューにぴったりな定番として「PILOT カクノ」「LAMY サファリ」「TWSBI ECO」の3本を厳選。特徴と向いている人をわかりやすく紹介しつつ、最後にタイプ別の選び方までまとめます。
初心者が万年筆選びで失敗しやすいポイント
持ち方が安定しない(グリップの形)
最初のうちは、ボールペンよりも筆圧が要らない万年筆の感覚に慣れていないため、持ち方が定まらないことがあります。すると線がブレたり、筆記角度が安定せず書き味が悪く感じたりしがちです。
初心者には、グリップ形状が分かりやすいものが相性◎です。
インクまわりが面倒に感じる(補充方法)
万年筆は「インクを補充する」工程があるぶん、最初はハードルに感じることもあります。
ただし、カートリッジ式や扱いやすい吸入式を選べば、思っているよりずっと簡単です。最初は「続けられる方法」を優先しましょう。
高い万年筆を買って使わなくなる(最初は“続けやすさ”優先)
万年筆は上を見ればキリがありません。ですが、最初から高級モデルにすると「傷つけたくない」「管理が不安」で出番が減りがちです。
デビューでは気軽に使える価格帯で、日常に溶け込む1本を選ぶのが結果的に成功しやすいです。
初心者向け万年筆の選び方
ここでは、初心者が迷いやすいポイントを「これだけ押さえればOK」に絞って紹介します。
まずは「書きやすさ」=持ちやすい軸・グリップ
書きやすさは正義です。握りやすい太さ、滑りにくさ、そして初心者なら持ち方が決まりやすいグリップ形状があると安心。
まずは「手が迷わない」設計を選ぶと成功率が上がります。
次に「実用性」=丈夫さ・扱いやすさ
「毎日使えるか?」という視点も重要です。落としても気になりにくい素材、キャップの開け閉め、インク残量の見やすさなど、日常使いのストレスが少ないほど続けやすくなります。
「楽しさ」=インクを楽しめる仕組み
万年筆の醍醐味のひとつがインク。ボトルインクは色の幅が圧倒的で、ハマる人は“インク沼”に一直線です。
最初からボトルインクが使いやすい仕組みのモデルを選ぶのも、モチベーション維持に効きます。
最初のニブ幅はどれ?(F / Mの目安)
迷ったら以下が目安です。
- F(細字):手帳・細かい文字が多い人、にじみを避けたい人におすすめ
- M(中字):ノートや日記に気持ちよく書きたい人、滑らかさを重視したい人におすすめ
書く紙や筆圧にもよりますが、初心者はF〜Mの範囲から選ぶと失敗しにくいです。
初心者におすすめ万年筆3選
ここからが本題。初心者でも失敗しにくい「定番3本」を紹介します。どれを選んでも後悔しづらいラインナップです。
PILOT カクノ|三角グリップで持ち方が安定、価格も手頃
「初めての万年筆、何にする?」と聞かれたら最有力になるのがPILOT(パイロット) カクノ。最大の魅力は、三角グリップで持ち方が安定することです。
初めてでも自然と指が定位置に収まるので、筆記角度がぶれにくく、書き味が安定します。さらに価格も抑えめで、気軽に試せるのがうれしいところ。
「とにかく失敗したくない」「まずは万年筆の感覚に慣れたい」という人にぴったりです。
こんな人におすすめ
- 万年筆が初めてで、とにかく書きやすさを重視したい
- 持ち方が安定しないのが不安
- まずは手頃な価格で試してみたい
ここが良い/注意点
- 良い:三角グリップでフォームが作りやすい/入門にちょうどいい価格
- 注意:見た目の“高級感”より実用性重視のデザイン
LAMY サファリ|頑丈で日常使いに強い、定番の一本
「長く使える定番が欲しい」ならLAMY(ラミー) サファリ。頑丈で日常使いに強く、机の上だけでなく、持ち歩き用としても活躍します。
うれしいポイントは、インク残量を窓で確認できる実用性。インク切れのストレスを減らしてくれます。カラーも豊富で、ニブ幅も選べるので「気に入ったら長く使う」相棒になりやすいモデルです。
こんな人におすすめ
- 普段使いでガシガシ使える万年筆が欲しい
- 見た目もカラーも楽しみたい
- 長く愛用できる“定番”から始めたい
ここが良い/注意点
- 良い:丈夫で実用的/インク残量が見やすい/選べる楽しさがある
- 注意:ニブの好みは出やすいので、迷ったらF〜Mから選ぶと安心
TWSBI ECO|吸入式×透明軸でインク遊びが楽しい
「書くことを趣味にしたい」「インクを楽しみたい」人に刺さるのがTWSBI ECO。吸入式なので、ボトルインクをそのままたっぷり入れて楽しめます。
さらにECOは透明軸。インクの色が見えるので、好きなインクを入れるだけでテンションが上がります。「色遊びがしたい」なら、最高に楽しい1本です。
こんな人におすすめ
- ボトルインクを楽しみたい
- インクの色遊びをしたい(透明軸が好き)
- “書く時間”を趣味として楽しみたい
ここが良い/注意点
- 良い:吸入式でたっぷりインク/透明軸で見て楽しい/インクが主役になる
- 注意:吸入式は最初だけ少し慣れが必要(手順自体はシンプル)
結局どれを選ぶ?タイプ別おすすめ早見
「自分はどれが合う?」を一発で決めたい人向けに、タイプ別でまとめます。
- とにかく失敗したくない/まず慣れたい → PILOT カクノ
- 普段使いで長く使いたい/定番で始めたい → LAMY サファリ
- インクを楽しみたい/色遊びしたい → TWSBI ECO
初心者が気になるQ&A
万年筆ってお手入れ大変?
基本は「インクを変えるとき」「しばらく使わないとき」に水で洗う程度でOKです。最初は完璧を目指さず、“使いながら慣れる”くらいで大丈夫。
カートリッジとボトルインク、どっちがいい?
手軽さ重視ならカートリッジ、色を楽しみたいならボトルインクがおすすめです。まずはカートリッジで始めて、慣れたらコンバーターや吸入式でボトルインク、という流れがスムーズです。
紙は何を使えばいい?(にじみ対策)
万年筆は紙との相性が出やすいので、にじみや裏抜けが気になる場合は紙を少しだけ選ぶと快適になります。まずは手持ちのノートで試してみて、気になるようなら「万年筆向け」と書かれたノートを検討すると失敗が少ないです。
まとめ|最初の1本で「書くのが楽しい」を作ろう
万年筆デビューで大切なのは、最初から完璧を目指すことではなく、“続けられる1本”を選ぶことです。
今回紹介した3本は、どれも初心者に選ばれ続けてきた定番モデルです。
- PILOT カクノ:書きやすさ最優先の入門に
- LAMY サファリ:普段使いの相棒に
- TWSBI ECO:インクを趣味として楽しむ1本に
あなたの「最初の万年筆」、気になるのはどれでしたか?
迷ったときは、「まずは書きやすさ」ならカクノ、「長く使う定番」ならサファリ、「インクを楽しむ」ならECOがおすすめ。
最初の1本が決まったら、あとは気軽に書き始めるだけ。万年筆のある生活、きっと想像以上に楽しいですよ。
