万年筆おすすめ|初心者が失敗しない選び方と、最初の一本にちょうどいいモデル

万年筆おすすめ|初心者が失敗しない選び方と、最初の一本にちょうどいいモデル

万年筆をはじめて選ぶとき、少しむずかしく感じることがある。
「ペン先って何が違うの?」「手入れは面倒じゃない?」「どのブランドが安心?」。
調べれば調べるほど、迷いが増えていく。

けれど、最初の一本は「気持ちよく書ける」ことだけでいい。
高価なモデルでなくても、手になじむ一本があれば、手帳もメモもぐっと楽しくなる。

ここでは、万年筆初心者の視点で、失敗しにくい選び方と、実際に“最初の一本としてちょうどいい”モデルを紹介する。
毎日使うボールペンとは少し違う、「書く時間を整える道具」としての万年筆を、一緒に見つけていこう。

はじめての万年筆、どう選べばいい?

万年筆を手に取るとき、まず気になるのは「何が違うの?」という点だと思う。

ペン先の硬さ・インクの出方・軸の重さなど、個性はさまざま。
だが、最初から全部を理解する必要はない。まずは「失敗しにくい3つのポイント」だけを押さえよう。

① ペン先は「硬め」から始めると安心

万年筆のペン先(ニブ)は金属のしなりで書き味が決まる。

しなやかな金ペンは魅力的だが、初心者には少し扱いが難しいため、最初は、ステンレス製で“やや硬め”のペン先がおすすめ。

筆圧をかけても線がブレにくく、ボールペン感覚で書ける。

💡代表モデル

パイロット「カクノ」、ラミー「サファリ」、プラチナ「プレピー」

書き出しがスムーズで、文字のクセも出にくい。
「強く書いてしまう」タイプの人でも安心して使えるのが特徴だ。

② インクは「カートリッジ式」が楽

万年筆の補充方法には大きく2種類ある。インクボトルから吸い上げる吸入式と、差し込むだけのカートリッジ式だ。

最初の一本には、迷わずカートリッジ式を選びたい。
インク交換が手早く、こぼれる心配も少ない。

旅先や外出先でも、替えカートリッジを1本持っておけば安心だ。

注意

ほとんどのメーカーで「自社専用カートリッジ」になっている。たとえばパイロット製なら、一部互換性のあるタイプもあるが、原則として他ブランドのカートリッジは合わないので注意が必要だ。

③ 価格の目安は「3,000〜1万円台」で十分

万年筆は上を見ればきりがないが、最初の一本で“書く楽しさ”を感じるには、3,000円〜1万円台がちょうどいい。
この価格帯ならペン先の精度も高く、長く使える。

「カクノ」「コクーン」「プロフィットJr.」「サファリ」など、どれも安心して使える定番。

無理に高級モデルに手を出すより、まずは“毎日使える快適さ”を優先したほうが、結果的に長続きする。

迷ったときは「書き出しの気持ちよさ」で選ぶ

店頭やレビューで見るよりも、実際の“書き出しの感覚”がいちばんの決め手。
ペン先を紙に置いた瞬間、スッとインクが流れるかどうか。その一瞬に、万年筆の性格が出る。

万年筆は「育てる道具」。

最初から完璧を求めず、軽い気持ちで一本を選んでみよう。

初心者におすすめの万年筆 10選【価格帯別】

ここからは、実際に「はじめての一本」として評判が高いモデルを、価格帯別に紹介する。
どれも店頭で“失敗しにくい”と評判の定番ばかりとなっている。

〈3,000円前後〉気軽に始められる入門モデル

● パイロット カクノ

やさしい見た目と軽さで、万年筆の入門にぴったり。キャップを開けてすぐに書ける安心感がある。中字(M)よりも細字(F)が人気。

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● プラチナ プレピー

300円台とは思えない完成度。ペン先の精度が高く、インクの乾きも防ぐ設計。カートリッジ式で扱いやすく、色インクを試すにも最適。

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● ラミー サファリ

海外ブランドの定番。やや太軸で、指が自然に安定する。デザイン性が高く、ギフトにも人気。

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〈5,000〜10,000円〉“長く使いたい”人の一本

● パイロット コクーン

しっとりとした金属軸で、ビジネスシーンにもなじむ。重心バランスがよく、長時間書いても疲れにくい。「最初の一本から長く使いたい」人に。

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● セーラー プロフィットJr.

日本語を書くために設計された細やかな書き味。インクフローがよく、硬めのペン先でもスムーズ。

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● ペリカン ペリカーノアップ

ドイツらしいしっかりした作り。キャップの密閉性が高く、インクが乾きにくい。やや太字寄りで、筆圧が強めの人におすすめ。

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〈1万円〜〉“一生モノ”の入り口に

● プラチナ #3776センチュリー

気密性の高い「スリップシール機構」で、半年放置しても書き出せる。細字でもかすれず、書き味が非常に安定している。「最初から長く付き合える一本」を探す人に。

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● パイロット カスタム74

万年筆らしい柔らかな書き味を、最初から味わえるモデル。インク吸入式だが、カートリッジ併用も可能。金ペンの感触を試したい人にちょうどいい。

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● セーラー プロギアスリム

小ぶりで軽く、手の小さい人にも合う。筆圧をかけずにスルスル書ける。日本語の筆運びにとても自然で、万年筆らしさを実感できる一本。

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書くときのコツと紙選び

どんなに良い万年筆でも、紙との相性で書き心地は変わる。
「インクがにじむ」「線が太くなる」「裏抜けしてしまう」——そんな悩みの多くは、紙選びで解決できる。
ここでは、はじめて万年筆を使うときに知っておきたい書くコツと紙選びの基本を紹介する。

紙選びの基本

紙は、インクの“吸い込み方”で性格が変わる。吸収が早い紙はインクが広がってにじみやすく、逆にコーティングの強い紙はインクが乾きにくい。大切なのは、その“ちょうどいい中間”を見つけることだ。

  • MDペーパー(ミドリ):インクがにじまず、さらっとした筆感。万年筆との相性が非常に良い。
  • ロディア:海外インクでも裏抜けしにくく、スルスルと軽い書き味。速記やメモに向く。
  • ツバメノート:少しざらつきがあり、紙の繊維を感じる。日本語の筆跡が美しく残る。
  • トモエリバー:極薄ながら裏抜けしにくい。万年筆ファン御用達のノート用紙。
店頭で試すときのコツ

試し書きをするときは、「ペン先がひっかからないか」「インクが乾くまでの時間」を見ておくとよい。また、同じペンでも、紙を変えるだけでインクの色合いがまったく違う。試筆コーナーでは、ぜひ自分のノートを1枚持参して書いてみよう。

万年筆が向いている人・向いていない人

向いている人向いていない人
手帳や日記など“ゆっくり書く時間”があるメモ中心で急いで書くことが多い
筆圧が弱めで、文字を丁寧に書く強く押しつけるクセがある
道具を長く使うのが好き手入れを全くしたくない
メモ

万年筆は「速く書くための道具」ではなく、「自分の時間を整えるための道具」。
書く速度より、“気持ちの落ち着き”を選びたい人に向いている。

まとめ|“自分の書き方”に合う一本を選ぼう

万年筆は、特別な人のものではない。
手にしたときの感触や、紙を走る音が“心地いい”と感じられたなら、それが正解だ。

最初は気軽に。軽いモデルから始めて、少しずつ“自分の書き方”を見つけていけばいい。

書く時間が少し楽しくなるだけで、日々のメモや手帳の時間が豊かになる。
あなたの手に合う一本を、今日から見つけてみよう。

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