アイデア・思考の整理

赤青鉛筆の変わらない姿と存在

投稿日:2017年4月15日 更新日:

三菱鉛筆 UNI 2667 朱藍 5:5

文房具の中には長い間かたちを変えずに使われ続けているものがあります。しかもヴィンテージや骨董品のようなものではなく、現在も生産され普段使いとして存在しているもの。

もちろん進化を続けているもの多くあり、それはそれで良い。でも変わらないものにはそれぞれ何か素晴らしい理由があるから、きっと変わる必要がないのでしょう。

この赤青鉛筆もそのひとつではないでしょうか。
誰もが子供のころに一度は手にしたことがあるであろう赤青鉛筆。学用品のイメージが強いですが、今もなお新聞社などプロフェッショナルの現場でも使われており、大人の愛用者も多い。

よくみると普通の赤と青ではない

私もよくこの赤青鉛筆を使いますが、ふと、ただの赤鉛筆や青鉛筆では駄目なのだろうかと考えてみました。普段何気なく使っていると考えもしなかったのですが、この赤青鉛筆よくみると普通の赤と青ではない。正確には朱色と藍色です。確かに鉛筆の軸にもそう書いてあります。

三菱鉛筆 UNI 2667 朱藍 5:5

Vermillion / Prussian blue
「バーミリオンは朱色。プルシアンブルーは紺青(藍がかった紫色を帯びた暗い青色のこと)

三菱鉛筆のホームページを確認してみたところ、正式名称は「朱藍鉛筆」となっています。(以下、朱藍鉛筆と表記)

ではいったい何故、朱と藍なのだろう。少し調べてみることにしました。

現存する資料では大正時代にはすでにこの朱藍鉛筆は存在していたといいます。まだ筆記具の種類が今のように多くはなく、鉛筆が主流だった時代。その訂正用に朱藍鉛筆は使われることが多かったようですが、今でいうマーカーペンのような存在だったのでしょう。

朱色と藍色が使われはじめた背景には諸説ありますが、さらにさかのぼって毛筆が主流だった時代、墨の色は黒とそして朱色のみでした。私も幼少の頃、書道教室に通っていたときに、誤ったトメやハライを先生に朱色の墨で訂正されていたことを思い出しました。

古くより朱色は訂正用の色として使われていました。今でも書き入れや訂正をすることは「朱を入れる」と言われることからも、訂正用の鉛筆に朱色を用いるのは自然の流れだったのかもしれません。

また藍色に関してはこのような説があります。当時の技術力では今のように鮮やかな青を出すこと自体が難しかったとも言われており、青ではなく藍色が多く用いられていました。何かもう一色と考えた時に必然的にこの色しかなかったのかもしれません。

三菱鉛筆 UNI 2667 朱藍 5:5

ただ素晴らしかったのはこの絶妙な色の組み合わせだったのでしょう、以後時代が変わろうとも、この朱と藍の鉛筆はほとんどその姿を変えていません。変わる必要がないほどに完成された姿であったのでしょう。

添わせるように朱藍鉛筆で自分の考えを書き入れていく

では私の朱藍鉛筆の使い方はというと、やはり訂正用として使うことが多い。仕事のアイデアやデザインの草案を一気に走り書きしますが、その後ゆっくりと見直してみると、訂正すべきところが見えてくる。でも消しゴムや修正テープで消したりしてしまうと、最初に思いついた大事な部分まで消してしまいかねない。だからあくまで添わせるように朱藍鉛筆で自分の考えを書き入れていく。さらに追加で加えたい要素を思いついた時は藍色を使います。

三菱鉛筆 UNI 2667 朱藍 5:5

朱色と藍色の線や文字はマーカーのように一番目立たせるのではなく、最初に書いた文字も、訂正も加筆もひとつのかたまりとして残しておくことができると考えています。

三菱鉛筆 UNI 2667 朱藍 5:5

ひとは不便を感じた時に思考し進化していきます。そうして道具や文具も姿を変えてきました。でも便利なものはそのままの姿で後世に受け継がれいく。きっとこの朱藍鉛筆もそうなのでしょう。

最新の技術やあたらしい文房具は私たちをワクワクさせてくれるが、昔からある慣れ親しんだ文房具は私のこころを落ち着かせてくれます。
変わらないというのも人にとっては大事なことなのかもしれません。この朱藍鉛筆がただ机の上に転がっているのをみているだけで安心できるように。

<製品詳細>
◼️製品名
三菱鉛筆 UNI 2667 朱藍 5:5
◼️価格
1ダース 720円(税抜き)
◼️メーカーサイト(外部リンク)
http://www.mpuni.co.jp/

※当記事は旧ブログ「きになる文房具」より一部内容を修正し転載しています。

投稿者プロフィール

NAKA(ナカ)
NAKA(ナカ)
未来のこども達に仕事の楽しさを伝えるのを目的に、誰もがワクワクしながら働ける環境を作るのが将来のビジョン。そのために文具を活用して仕事を楽しいものに変換し、その方法を伝えていくのが今のミッション。
仕事効率化を推奨しながらも、実は非効率なアナログ文具も愛する、ただの文具好き。

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